濹堤通信社綺談

東都の外れ、隅田川のほとりから。平易かつ簡明、写真入りにて時たま駄文を発行いたします。

梅雨が来て、夏が来る

 愛媛県宇和海沿岸で栽培されているミカンは、「3つの太陽」の恩恵をたっぷりと受けているという。
 1つ目の太陽は、当然空に輝くあの太陽。宇和海沿岸はリアス海岸のため、斜面が多い。燦然と降り注ぐ直射日光を、段々畑で効率よく受け止めることができる。2つ目が、海面で乱反射した日光。これが下からもミカンの木に当たるのだ。そして最後の太陽が、石垣だ。段々畑の土留めになっている石垣に、日光が反射する。それだけでなく、日中に直射日光を浴びて温められた石垣からジワジワと熱が放射され、夜間でもミカンを温めてくれる。こうして美味しいミカンが作られる。いやあ、このブログは勉強になるなあ。

 なぜ読者諸氏にこんな地理のお勉強をさせたかというと、僕の部屋にもこの「3つの太陽」がある。それ故に、もうとにかく暑くなる。これから夏というやつがやってくる。とにかく、今から憂鬱で仕方がないのだ。

 ところで暑ければ冷房をつければいいじゃない、というのはもっともだ。幸い、そういう文明の利器があることも知っている。湿度100%の夏の香港で、あいつから吹き出す冷風のせいでで凍えながら起床したことがある。香港では、冷房の設定温度というのは20度にするのが標準だ。常識的な店であれば、それは当然のサービスだと思われている。僕の泊まった重慶大厦の安宿でさえそうだったわけだ。

 でも、僕は冷房をつけたがらない。冷房をつけるなら死んだほうがマシ、などということは言わないけど。
 実家にいたころからそうで、「もう無理!!!」となるまでは窓を開けて風を通すことで乗り切ろうとする。最近扇風機を使いだしたらかなり快適で、まだしばらくこれで乗り切れそうだ。
 エアコンを使いたらがない理由の一つに、住んでいる家の電力容量がある。古い家なので、ブレーカーが30アンペア。これ自体はまあ普通ではあるのだが、現代に生きる3人の男が別々に生活することを考えるとかなり少ない。実際、ブレーカーが落ちた回数を数えるのをやめたくらい、ブレーカーは落ちている。どれくらいでブレーカーが落ちるかといえば、電子レンジと湯沸かしケトルを同時に使うともう危ない。ドライヤーも要注意。冬はファンヒータがかなり危険な存在だった。
 そして何より厄介なことに、3部屋で同時にエアコンを使えばブレーカーが落ちる。というかまあ、落ちた。何度も。なので、わりと速攻でエアコンを入れる同居人2人がエアコンを使っているとなれば、僕はエアコンを使えない。貧乏くじだとは思うが、これはまあそういう性分なので諦めている。僕はわりとそういうやつだ。

 僕の部屋は西向きだ。午後になれば、西日がカンカンに差し込んでくる。このおかげで冬はわりあい楽に過ごせたのかもしれないが、これからは地獄だ。いや、もうわかっている。去年もそうだったんだから。なにもしなければ、この部屋は午後にはサウナになる。この温度を何かに活用できないかと、本気で考えてしまうくらい暑くなる。これが1つ目の太陽だ。
 2つ目の太陽になるのが、僕の部屋の目の前にある石垣だ。今住んでいる家が斜面に建っているのは以前言ったが、そのために隣の家は石垣の上に建っている。石垣は南に向いているので、日にあたってたっぷりと熱を吸収している。そう、これが夜になっても熱をジワジワと放射し続けるわけだ。不幸にして僕はミカンではないし、変温動物のカメレオンか何かでもない。せめて、長毛種の犬なんかに生まれなくてよかったと何かに感謝をしながら、夏の暑さに耐えることを選ぶしか無い。

 そして、3つ目。これは実は去年まではなかった。今年生まれた太陽だ。人類の英知、地上の太陽。まあ、何かといえば新調したゲーミングPCだ。
 4月後半、僕はとにかく競馬で勝っていた。もう、めちゃめちゃ調子がよかった。僕は穴党であるから、「単」系の馬券が当たれば確実に5桁の払い戻しが望める。配当100倍以下って馬券なんですか?まあ、だから勝てないんだけどさ。
 皐月賞天皇賞(春)と連勝した僕の手には、それなりにまとまった金額のお金が入った。それこそ特別給付金とかいう、政府が税金を返してくれたにすぎないやつに並ぶくらい。そして、なんとタイミングがいいことにPCがオシャカになってしまった。入る金があれば出ていく金あり。無常である。どうせなら、ということでこのお金でPCを新調したわけだ。CPUにRyzen 7 3700X。グラボはGTX1660だけど750wの電源をおごったから拡張性に不安はない。メインストレージにM.2コネクタのSSD。すごいぞ、あの死ぬほど重かった『ARK: Survival Evolved』とかいうゲームだって最高品質グラフィックでサクサク動く。人類の英知!ありがとうお馬さん!これぞ人馬一体!!!
 そして、放熱が残った。
 PCがやる気を出すと、当然だが熱を発する。それこそ、ちょっとしたレトルト食品を置いておけばそれなりに温めてくれそうだ。すごい。ありがたい。でもこんな機能を頼んだ覚えはないんだ。
 無事に3つの太陽がすべて揃ったこの部屋で、僕は夏を迎える。今年の夏は誰も経験したことのない夏になる、と専門家が言っていた。どうやらこれは、間違いではなさそうだ。

アジサイを見る

 夏の前には梅雨が来る。東京は絶賛梅雨真っ盛り。毎日毎日ジメジメしており、自分が大気の底を這い回る生き物であることを否が応でも自覚させられる。せめて乾いたものを食べようと、ビスケットをかじる毎日だ。
 6月になった瞬間、アジサイがわっと咲きだした。家から駅に向かう途中には、そこかしこにアジサイが咲いている。これを見るのを、結構楽しみにして梅雨を過ごしている。
 よく見てみればアジサイにも色々あるもので、段々とキャラクター性が伝わってくるのだ。
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 華やかでありながらも、清楚さ全開。これはすごい。今期ぶっちりぎの清楚枠だ。多分二次創作では安易に腹黒キャラやヤンデレキャラにされがちで、絶妙な火種になるやつ。公式が逆輸入してきたりしたらもう最悪。アジサイの中では一番のお気に入りだ。
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 あらかわいい。小動物系ですよね。髪の毛はたぶんお団子。年少ながらも芯がしっかりしていて、中盤で主人公が挫折を乗り越えるエピソードでキーになったりする。
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 クール高身長ポニテ枠。作中で女子人気が高い設定で、エロ同人の展開がワンパターンになりがちなやつ。実は気が弱く、子供の頃に憧れたお姉さん的存在を演じている。上の小動物系とのカップリングが王道。
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 エロいお姉さん。これもう絶対そうでしょ。なんですかこの色気。擬人化とかするまでもなく、アジサイの状態ですでにエロじゃん。愛のない脚本家に年増イジリされがちで、ファンからは死ぬほど嫌われている。

 心配する人もいるかもしれないけれど、まあ元気です。疲れてはいるけど。
 6月になって仕事が再開になりまして、ありがたいのですが料理をする気はさっぱり起こらないでいたために料理コーナーは今回もお休み。でもまあ、またボチボチ作り始めてはおります。世の中には、料理を作る人と作らせる人しかいないのだ。