濹堤通信社綺談

江都の外れ、隅田川のほとりから。平易かつ簡明、写真入りにて時たま駄文を発行いたします。

21円ぶんの切手を夜中に貼っている

mikoyann.hatenablog.com


この記事で一緒に禁煙をしていた友人と、「どこかに行ったときは、その土地から絵葉書を送り合う」というのを、もう何年もやっている。
僕はといえばズボラな方なので忘れたり覚えていても省略することもあるのだが、向こうは律儀に送ってくる。
筆まめ、というやつなのかもしれないが、まあお互い特段何か伝える内容があるわけではない。
「絵葉書を送る」というのが目的なので、それでいいのだ。大体、しょっちゅう合ってるし。


そいつがこの間北海道に行った際、行きなんだか帰りなんだか青森に寄ったらしい。
青森県立美術館にある奈良美智の「あおもり犬」のポストカードを送ってきた。
「予想以上に可愛くて悔しかったので」送ったとのことだった。このように、特に意味はないけれど送り合っているのだ。

正方形なのも中々に可愛いポストカードなのだが、何やらもう1枚葉書がついている。

……はい。料金が足りない、と。
正方形をしているせいで定形「外」郵便物の扱いになり、葉書のつもりで貼った切手では足りなかったらしい。なんとまあ。


「このまま受けとりたい場合は、この葉書に不足分の切手を貼って出せ」というのが郵便局からのご提案だ。
「受けとりたく無い場合は支払わなくていいけど、未開封に限るよ」とも書いてあるが、葉書なので開封も何もない。
初めての経験で面白そうなので、払ってみることにした。

幸いにしてすぐ郵便局に行く用事があったので、21円分の切手を買ってこれた。
窓口のお姉さんからは「こんな金額の切手で何をするんだこいつは」というような眼で見られたが、こちらは生憎と郵便局の提案に従っているだけである。
恭しく20円切手と1円切手を捧げ持って帰ってきて葉書に貼った。あとは明日の朝、忘れずに投函するだけだ。


……よく読めば、「この葉書を持って郵便局で払うこともできる」とも書いてあった。
なにやら盛大に胡乱な手間をかけている気がする。
でもまあ、元よりこういう手間のかかる遊びではあるのだ。
次こそは、どこかに行ったらあいつに葉書を返してやろうという気でいる。