濹堤通信社綺談

江都の外れ、隅田川のほとりから。平易かつ簡明、写真入りにて時たま駄文を発行いたします。

僕はなぜ神谷奈緒とメヒコでフラミンゴを見ながらカニピラフが食べたいのか

 神谷奈緒とメヒコでフラミンゴを見ながらカニピラフが食べたい。

 と、いうようなことを僕は数年前から公言している。戯言、妄言の類いだと思っておられる方も多いかもしれない。神谷奈緒と、カニピラフ。メヒコで、フラミンゴ。これらの単語が即座に結びつく方はそう多くはないだろう。いや、ない。多くあってくれたらそれはそれで困る。神谷奈緒とメヒコでフラミンゴ見ながらカニピラフ食べたい、などと言い出すやつが世界で僕の他にいるというのも、それはそれで恐ろしい。
 変なオタクが変なことを言っている、という認識で間違ってはいないのだが、根拠のない妄言というわけではない。少なくとも、僕の中には神谷奈緒とメヒコでフラミンゴ見ながらカニピラフを食べたい理由がある。僕がいかに変なオタクと言えど、なんの根拠も理由もなしに17歳の少女を、フラミンゴが店内で飼われている福島茨城ローカルのファミレスに連れ込んで、自分で殻をむかなければいけないカニピラフを食わせようとするほどの異常者ではない。そんなやつが世界にいるとしたら許せない。
 では、なぜ僕は神谷奈緒とメヒコでフラミンゴを見ながらカニピラフを食べたいと思うのか。その理由を明らかにしたい。お気づきかもしれないが、今回は徹頭徹尾怪文書である。

youtu.be

 神谷奈緒については、まあ割と説明はいらないかもしれない。『アイドルマスターシンデレラガールズ』シリーズに登場するアイドルである。千葉県出身の17歳。やたらと毛量のある髪を前でぱっつんに切り揃え、その下には太めの眉毛が覗いて可愛らしい。「正統派ツンデレ」と言われるほどにわかりやすく恥ずかしがりのキャラクターであり、最初は嫌そうなことを言いつつも段々とアイドル活動に前向きになり、輝きを見せるさまはまさにシンデレラガールである。ちなみに趣味はアニメ鑑賞。かわいいね。一緒に銀河英雄伝説を見よう。なんだこれ。多分、神谷はミュラーが好きだと思う。それかワーレン。

 とまあ、ここまでは神谷奈緒を知っている方にとっては疑念を挟む余地のない共通認識だと思う。じゃあ、ここからは?僕の感じる神谷奈緒の持つ魅力についてだ。
 神谷奈緒というのは、なんというか「近さ」のあるアイドルだと思う。「近そう」でもいい。もちろん架空の人物であるから存在などしないのは当たり前なのだが、もしも存在したら実はとても近くにいるのではないか、そんなことを思わせる。「会いに行けるアイドル」というのが言われるようになって久しいが、神谷奈緒には会いに行く必要がない。会いに行けないけど。でも別にいい。だって、ほら、そこに神谷いるじゃん。

 なので、神谷奈緒にはしっかりとした日常があってほしい。しっかりとした日常を感じさせてくるのだ。家は馬橋で、千代田線直通の常磐緩行線で通学している。新御茶ノ水中央緩行線に乗り換えるから、10号車に乗りたいけど死ぬほど混んでいるから8号車の後ろよりに乗るようにしている。松戸始発の電車を狙うこともあったけど、最近は面倒くさくてやめた。とか。神谷奈緒が毎朝、新御茶ノ水のあのクソ長いエスカレータに乗っているところを想像してみなさい。間違いなく、イヤホンをしている。手に持っている単語帳は何だ。DUOではないだろう。シス単か。どうだ、容易に想像できるだろう。僕は神谷奈緒の、そういうところが好きなわけだ。

 神谷奈緒について蛇足のような説明をしたところで、多くの人が疑問を持つのはその先だろう。

 メヒコって、何だ。

 フラミンゴがなぜ出てくる。

 なぜカニピラフなんだ。

 神谷奈緒と、どう関係があるんだ。

 それらを全て明らかにしてやる。

 そもそもからして、メヒコをご存じない方が多かろう。メヒコは、主に福島県茨城県に展開しているシーフード料理主体のレストランだ。東京都にも数店舗ある。
www.mehico.com

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 メヒコの看板メニューといえばカニピラフだ。ズワイガニが殻付きのまま「ドン」と乗って出てくるそれは、見た目のインパクト抜群。これをほぐしながら食べるのだ。かつて同居人に「嫌がらせピラフ」と言われたことがある。殴るぞ。ほぐしてから出してもらうこともできるのでご安心を。でもやっぱり、殻付きの方が「メヒコのカニピラフ」という感じがする。
 そしてメヒコといえば、フラミンゴだ。何を言っているか意味不明な人も多いかと思うが、メヒコといえばフラミンゴなのだ。
 メヒコの店舗には、「フラミンゴ館」と名前のつくものが存在する。なんとこのフラミンゴ館、店内でフラミンゴが飼育されている。そう、鳥の。ピンク色の。冷えるから片足で立ってる、あいつ。正気か。
 というわけで、メヒコではフラミンゴを見ながらカニピラフを食べることができる。はい解決。やったね神谷。メヒコでフラミンゴ見ながらカニピラフ食うぞ。

 僕は幼少期に福島県の郡山に住んでいたことがある。2歳から、幼稚園の年中まで。北千住に来たのは実はその後だったりする。母方の実家はずっと千住だったけど。
 そんな頃の思い出に、メヒコに行ったことがある。メヒコ郡山フラミンゴ館。当然、フラミンゴがいるわけだ。フラミンゴを見ながら食事をする。これはもう、端的に超絶体験だ。ちなみに妹はこれをきっかけに首の長い鳥全般が生理的に嫌いになった。
 メヒコというのは、価格帯としてはいわゆるファミレスよりも少し上だ。かといって、寿司やすき焼きのように完全にハレの食事の場というわけでもない。日常の延長線上に存在する、フラミンゴつきの異常空間。そんな魅力に溢れたところがメヒコだ。
 神谷奈緒の魅力とは、近さだ。確固たる日常があり、それは当然自分の日常ともリンクする。そんな日常の延長線上にある「異常」を、一緒に体験したい。
 だから、僕は今日も言うのだ。
 神谷奈緒とメヒコでフラミンゴを見ながらカニピラフが食べたい。

 以下、お料理のコーナー

からしなます

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 新潟県は南魚沼の郷土料理である。
 僕はよく「母方の田舎が南魚沼」というようなことを言っているのだが、まあ当然これは嘘だ。母親が家族ぐるみの付き合いをしている友人の出身が南魚沼の塩沢で、その影響でよく塩沢に行ったりする。南魚沼の物を買ってきたり、南魚沼の料理を作ったりする。そういうわけで僕のレパートリーの中にも、この南魚沼の郷土料理が存在しているという訳だ。

www.shokumachi-uonuma.jp


 ざっくりした作り方としては、水で戻した切り干し大根に、練りごまと練りからしを合える。練りごまは、ぜひとも欲しい。でも無ければ、最悪ごまドレッシングでもいける。別物になるけど。練りからしは、「こんなに入れていいの!?」と引くくらい入れるのがコツだ。大丈夫。思ったよりも辛くならない。
 保存も利くので、一風変わった常備菜にいかがだろうか。暑くなるこれからの時期向けの料理だと思う。ちなみに、キリッとした新潟の酒に合わせると最高だ。鶴齢とかがいいですね。

とりすきと、翌日のおから

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 愛すべき友人から誕生日プレゼントとしてもらった京野菜の中に、よさそうなネギと春菊があった。それにしめじも。となれば、すき焼きをしたくなるのが人情だろう。
 すき焼きがしたくとも、牛肉を買う金はない。すき焼きだけは安い牛肉で作ってはいけない。となると、鶏肉の出番になるわけだ。
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 すき焼きをしたら、翌日におからを煮る。これはどうも我が家に独特の風習らしい。肉やらネギやらの旨味が出た割り下を捨てるのはもったいない。そこでおからを煮ると、その旨味が見事なほどに染み込んでべらぼうに美味いおからになる。ぜひお試しあれ。

おうちハンバーグ

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 ハンバーグは買ってきたほうが早い。そりゃあそうだ。ではなぜ、人は自分でハンバーグを作るのか。僕の理由は、「具材が粗いハンバーグが食べたい!」だ。あとは、ハンバーグがでかいと嬉しい。
 粗挽き肉に、粗みじんにした玉ねぎを生で入れる。食べていて食感が嬉しいハンバーグになる。玉ねぎを炒めないぶん、調理手順の短縮にもなるので言うことなしだ。パン粉がカビていたので食パンをちぎってつなぎにしたのも、良い判断だったと思う。
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 ソースは焼いた際に出た肉汁に赤ワイン、ケチャップ、ウスターソースを入れて煮立たせただけのものだが、同居人たちには「デミグラスソースだ!」と喜ばれた。洋食屋のデミグラスソースとしては全く間違いではない。